【専門家監修】通気性の良いマットレスはここが違う!特徴や選び方

マットレスを快適かつ衛生的にマットレスを使い続けるには『高い通気性』が必要です。しかし、日本の気候は湿気が多く、夏は気温が上がるため汗もかきやすいです。

  • 「暑がりだから夜中に目が覚める…」
  • 「汗かきでマットレスのカビが心配。」

このページでは上記のように悩んでいる方に向けて、通気性の良いマットレスの特徴やおすすめのマットレス・ベッドフレーム、その他の湿気対策についてご紹介します。

通気性の良いマットレスを選びたいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。

【著者紹介】


上級睡眠健康指導士(第733号)。「マットレス」と「睡眠」の専門家。1年で50個以上のマットレスを購入・体験している。睡眠の質やQOLの観点から多くの方の寝具・マットレス選びを手助けする。→快眠ハック

 

1. マットレスにおける「通気性」の役割

通気性の良いマットレス_役割

マットレスを選ぶ際には、下記のようなポイントに注意して選ぶ必要があります。

  • 価格相応の耐久年数はあるか
  • 寝返りがしやすい弾力性であるか
  • 自然な寝姿勢を保てるか
  • 好みや慣れ、違和感なく使えるか
  • 収納しやすい工夫がなされているか
  • 快適かつ衛生的に使い続けられる通気性はあるか

耐久年数や寝心地と同様に重要視したいのが「通気性」です。マットレスの蒸れやすさはシーツや敷きパッドである程度改善できますが、どうしてもマットレス内部に熱や湿気が少なからずこもってしまいます。

通気性の悪いマットレスを使用していると、蒸れて快適に眠れなかったり、暑くて中途覚醒の原因にもなったりと、眠りを阻害してしまいます。

また、内部にこもった熱や湿気は、マットレスのヘタりやコイルのサビ、カビなどの発生原因となるため、寿命の観点からも弊害です。

そのため、熱や湿気を少しでも放出するために通気性の高いマットレスを選ぶことが大切になってきます。

 

2. 通気性が良いマットレスの特徴5つ

通気性が良いマットレス_特徴5つ

通気性の良いマットレスを選ぶためには、下記の点をチェックするようにしましょう。

  1. 空気を多く含む中材の種類
  2. 通気性を高める中材加工
  3. 機能性の高い詰め物
  4. 吸湿性・放湿性に優れたカバー素材・生地
  5. 内側の熱を逃すための「通気穴」

上記5つのポイントについて、具体的に解説していきます。

(1)  空気を多く含む中材の種類

マットレスに使われる中材はさまざまですが、種類によって通気性が異なります。通気性の良い中材の種類については、下記を参考にしてください。

中材の種類 通気性

ボンネルコイル

ポケットコイル

ハイブリッド

△ ~ ◯

低反発ウレタン

ウレタン(一般)

高反発ウレタン(高弾性)

ラテックス

ファイバー

 △:イマイチ、○:良い、◎:非常に良い  

 

中材の種類別に通気性の良し悪しと、その理由について具体的に解説していきます。

①ボンネルコイル

通気性が良いマットレス_素材_ボンネルコイル

ボンネルコイルを使ったマットレスは、通気性が良いのが特徴です。

コイルマットレスは比較的通気性の良い素材ですが、特にボンネルコイルは通気性に優れた素材といえるでしょう。なぜなら、ボンネルコイルはマットレスの中でスプリングが連続して繋がっており、コイルの間が空洞になっているからです。

その空洞内に風が通りやすいため、通気性に優れています。ただし、コイルの上にはウレタンフォームなどの詰め物が使用されているため、通気性が良いといってもカビ対策は必要です。

②ポケットコイル

通気性が良いマットレス_素材_ポケットコイル

ポケットコイルもウレタン素材に比べると、通気性の良い素材です。とはいえ、ボンネルコイルよりは通気性がやや劣ります。

コイルがすべて繋がったボンネルコイルとは異なり、ひとつずつ不織布に入れられたコイルがマットレス全体に敷き詰められているのがポケットコイルのマットレスです。

不織布に包まれているため、ボンネルコイルよりも通気性が悪くなってしまうのです。また、ボンネルコイル同様、詰め物の湿気・カビ対策は必要なので注意しましょう。

③ハイブリッド

通気性が良いマットレス_素材_ハイブリッド

Prime Support ハイブリッドマットレス ポケットコイル 低反発 33cm

ハイブリッドマットレスは「低反発+高反発」など、いくつかの素材を組み合わせたマットレスのことです。それぞれの素材のデメリットを他の素材でカバーできるため、より快適な寝心地を実現できます。

ハイブリッドマットレスの場合、組み合わせる素材の種類によって通気性は異なります。しかし、さまざまな機能を活かすためのハイブリッド構造ですから、通気性の良いものが比較的多い傾向です。

商品ページなどを確認し、中材に通気性を高める加工などが施されたマットレスを選ぶのがおすすめです。

④低反発ウレタン

通気性が良いマットレス_素材_低反発

低反発ウレタンの通気性はあまり良くありません。体にしっかりフィットするのが特徴の低反発ウレタンですが、フィットすることで寝返りの回数が減ってしまうというデメリットもあります。

寝返りの回数が減ることで、1カ所に湿気が溜まりやすくなってしまうのです。高密度な素材なのでもともと通気性が悪いウレタン素材ですが、一1カ所に湿気が溜まるとそれを放出できなくなってしまいます。

⑤ウレタン(一般)

【専門家監修】マットレスの選び方 → こちら!

低反発でも高反発でもないウレタン素材は、安価なマットレスに使用されることも多い素材です。価格が安い分、反発性やフィット性といった機能性が特に備わっていないことが多くなります。

分厚いウレタンマットレスのベース層としても使用されることの多い一般ウレタンですが、厚ければ厚いほど湿気対策も大変になるので注意しましょう。

⑥高反発ウレタン(高弾性)

通気性が良いマットレス_素材_高反発ウレタン

高反発ウレタン(高弾性)は、低反発に比べると若干通気性が高くなります。とはいえ、ウレタン素材自体があまり通気性は良くないため、全体的に見ればイマイチの通気性です。

コイルマットレスと違い、素材の中に空洞があまりないため通気性はどうしても悪くなってしまうのです。特に側生地がポリエステル100%の場合は、なおのこと通気性が悪くなります。

通気性の良いウレタンマットレスが欲しい場合は、気泡がつながっていて空気を通しやすい「オープンセル構造」のものを選ぶと良いでしょう。

⑦ ラテックス

通気性が良いマットレス_素材_ラテックス

ラテックスは、ゴムの木から採取された樹液を原材料とする素材です。ゴム特有の柔らかさと弾力性があり、ヨーロッパを中心に人気を集めています。

ラテックス素材の通気性はあまり良くありません。特に天然ゴム100%の天然ラテックスよりも、天然ゴムの割合の低い合成ラテックスの方が通気性は悪くなります。

素材自体の通気性は良くありませんが、ほとんどのラテックスマットレスには「ピンホール」と呼ばれる小さな穴が無数に開けられています。空気が通るような加工になっているため、コイルマットレスほどではありませんが通気性を保つように作られています。

⑧ ファイバー 

通気性が良いマットレス_素材_ファイバー

ファイバーは、ポリエチレンやポリエステルなどの樹脂を固めた素材のことです。釣り糸を作る技術を応用したもので、見た目も釣り糸を複雑に絡めたように見えます。

立体構造で空間が多く、マットレスの素材の中では最も通気性の良い素材です。通気性があまりにも良いので、冬はやや寒く感じる方もいます。

特に安いマットレスの場合は、素材の密度も低いので寒さを感じやすくなります。素材の性質上、高熱に弱いため湯たんぽや電気毛布との併用に向いていません。

(2) 通気性を高める中材加工

通気性の悪い素材の場合、下記のような加工が施されていることがあります。

波形カット

波形カット

ホールカット

ピンホール

加工を施すことで、マットレスの通気性が良くなるばかりでなく内部にこもりがちな熱を逃がす役割を果たしてくれるのです。

さらに、通気性だけでなくフィット性や体の圧迫感を解消する効果も期待できます。例えば、ホールカットは場所によって沈み具合を変えられるため、体圧をしっかり分散させ快適に眠ることができるでしょう。

(3) 機能性の高い詰め物

マットレスの「詰め物」は主にコイルマットレスに使われており、バネ感が体に伝わらないよう『スプリングとカバーの間に詰めた素材』のことを指します。

詰め物に使われる素材は、ウレタンフォームや綿がほとんどです。この詰め物に使われる素材の種類や品質によって、マットレスの通気性は変わってきます。

中には抗菌防臭性や防ダニ性に優れた 詰め物として使用しているマットレスもあります。(ポリエステルわたとは、ポリエステル繊維をわたに加工したもので、多少クッション性があります。)

機能性に優れた詰め物を使用しているコイルマットレスの方が、通気性に優れているのが一般的です。

(4) 吸湿性・放湿性に優れたカバー素材・生地

通気性が良いマットレス_素材_カバー

カバー素材や生地で、吸湿・放湿効果を高めることができます。吸湿性・放湿性に優れたカバー素材・生地について、解説していきます。

① 素材

マットレスのカバー素材としては、主に下記のようなものが使われます。

素材 吸湿性 放湿性

綿(コットン)

レーヨン

ポリエステル

△:イマイチ、○:良い、◎:非常に良い

 

綿(コットン)は、吸湿性に優れた素材です。放湿性はあまり高くありませんが、肌触りが良いので気持ち良く寝ることができます。ただし、カバー素材としては、あまり使われる素材ではありません。

レーヨンは吸湿性・放湿性ともに優れた素材です。やわらかいので、肌触りも良いのが特徴です。リーズナブルな価格なので、カバー素材としてもよく使用されています。

ポリエステルは最もマットレスのカバー素材に使用される素材です。肌触りは良いですが、吸水性・放湿性は低くなります。寝心地を追求するのであれば、ポリエステル以外の素材を選んだ方が良いでしょう。

② 生地

次に、マットレスの生地についてですが、生地の種類をまとめると下記のようになります。

種類 特徴

ニット

生地を編んで加工したもの。
伸縮性・通気性が高いのが特徴。

ジャガード

ジャガード織機で織られた生地のこと。
耐久性と通気性に優れているのが特徴。

メッシュ

生地を織って加工したもの。
さらりとした肌触りと高い通気性が特徴。

キルティング

綿などを挟んだ状態で表生地と裏生地を縫い合わせたもの。内側に空気の膜ができるので保温性が高いのが特徴。

上記の中でも通気性の高い生地は「メッシュ」です。通気性の悪いポリエステル素材を使ったカバーでも、構造がメッシュであることで通気性を良くしているものもあります。

ただし、メッシュは汗を吸収しにくいので、肌に触れる部分はメッシュでない方が無難です。マットレスの底面やカバーの裏側だけ、メッシュになっているものもあります。

また、本来は通気性の目的ではありませんが、キルティング生地は多少蒸れを感じにくくなります。

(5) 内側の熱を逃すための「通気穴」

「通気穴」はベンチレーターとも呼ばれ、マットレスの側面に空いた穴のことです。ボタンほどの小さな穴ですが、側面方向の通気性を良くする役割を果たしています。

特にコイルマットレスで採用されることが多い加工です。高級マットレスに多く見られる仕様となっています。

 

3. 通気性の良いおすすめマットレス

(1) ZINUS GreenTea Luxe

通気性が良いマットレス_ZINUS GreenTea Luxe

ZINUS「GreenTea Luxe」に採用されているAir-Flowデザインは、フォーム内に小さな通気穴を空けることで通気性を向上させています。

通気性が良いマットレス_airflow

さらに、生地には通気性の良いニット生地を採用しているのも特徴の一つです。やわらかく通気性の高いジャガード織のカバーで、耐久性にも優れています。そのため、蒸れて寝苦しいといった、通気性の悪さからくる睡眠の悩みを解消できるでしょう。

通気性が良いマットレス_ニット

また、通気性だけでなくフィット性にも優れています。体を7つのエリアに分け、それぞれの部位に適した硬さの素材を使っています。細かなゾーニングによって、隙間が生じることなく快適に寝ることが可能です。

プレミアムな寝心地と通気性を両立したい方におすすめのマットレスです。

ZINUS「GreenTea Luxe」の詳細はこちら

 

4. 通気性の良いベッドフレームとは?

マットレスの通気性を高めるためには、ベッドフレームの使用が必須になります。ベッドフレームを使わずにマットレスを床置きしてしまうと、マットレスにこもった湿気が逃げていかずカビやダニの原因となってしまうからです。

ここからは、通気性の良いベッドフレームについて解説していきます。

(1) すのこベッドフレームが通気性を向上させる

通気性良いマットレス_すのこベッドフレーム

Wanda ベッドフレーム 布張り ヘッドボード付 オットマン収納付き 36cm

通気性を良くするためにおすすめなのが「すのこベッドフレーム」です。マットレスを置く部分がすのこ状になっており、通気性が抜群に良くなります。

すのこがあることでマットレスが触れる部分を減らし、空気の流れを作ります。それにより、マットレス内部に溜まった湿気を、すのこの隙間から放出させることができるのです。

木材を使ったすのこベッドフレームが一般的ですが、最近では樹脂加工のすのこベッドフレームも出てきています。

(2) おすすめのベッドフレーム

ここからは、おすすめのベッドフレームを2つ紹介します。

①ZINUS「Lottie」 ベッドフレーム ファブリック ショートヘッドボード付 30cm

Lottie ベッドフレーム ファブリック ショートヘッドボード付 30cm

ZINUSの「Lottie ベッドフレーム ファブリック ショートヘッドボード付」は、すのこ状で通気性が良いだけでなく、キルティングのヘッドボードでモダンな雰囲気を演出できるベッドフレームです。

ヘッドボードはそれほど大きくないため、部屋の空間を広く使うことができます。床板には木製のすのこを使用しているため、通気性に優れているのも特徴です。さらに、耐久性も高いので長期間使用することができるでしょう。

ZINUS「Lottie ベッドフレーム ファブリック ショートヘッドボード付」の詳細はこちら

②ZINUS「Suzanne」 ベッドフレーム スチール&ウッド ヘッドボード付 18cm

Suzanne ベッドフレーム スチール&ウッド ヘッドボード付 18cm

ZINUS「Suzanne ベッドフレーム」は、ヘッドボードはブラウンカラーの木板と、黒く塗装されたスチールフレームを組み合わせて作られています。全体が引き締まるため洗練された印象が特徴です。

先ほどのベッドフレーム同様、床板には木製すのこを使用しています。通気性に優れているので、湿度の高い時期でも快適に寝ることができるでしょう。

ZINUS「Suzanne ベッドフレーム スチール&ウッド ヘッドボード付 18cm」の詳細はこちら

 

5. マットレスの湿気対策5つ

通気性の良いマットレスも重要ですが、その後のお手入れや管理も非常に重要です。

ここからは『ベッドフレームの使用』以外の5つの湿気対策について説明します。

(1) マットレスを立てて通気させる

通気性良いマットレス_立てて通気させる

マットレス内部や底面に入り込んだ熱や湿気は外へ逃げにくいため、定期的にマットレスを立てて通気させてあげる必要があります。

分厚いベッドマットレスであれば、理想は週に1回、最低でも2週に1回を目安に壁に立てかけましょう。折りたたみ式などの床置きマットレスであれば、毎日立てて通気させるのがよいです。

また、この時に天気が良ければ窓を網戸にして風通しを良くすることをおすすめします。

(2) 起床後に布団内の熱を逃す

通気性良いマットレス_起床後に布団内の熱を逃す

起床後は長時間の睡眠によって熱や湿気がこもっている状態です。

そのまま掛け布団をベッド全体にかけっぱなしにしていると熱や湿気が逃げにくいため、掛け布団を軽く畳んで枕元の方へ置いておくのがおすすめです。

ただし、掛け布団自体も通気させる方が好ましいので、広い場所がある方は畳まずに別の場所で広げておきましょう。

(3) 湿度が高い日はエアコンなどで除湿する

通気性良いマットレス_エアコンなどで除湿

梅雨などの湿気が高い日には部屋自体を除湿させるのも非常に有効的な手段です。

エアコンや除湿機などを使用して湿度を40〜50%程度にすれば、マットレスにも人体にも快適な状態となります。

(4) 敷きパッドや除湿シートを使用する

通気性良いマットレス_敷パッドシーツを使用

少ないお手入れで除湿効果があるのが、敷きパッドと除湿シートです。

敷きパッドはマットレスの上に重ねて汗を吸収してくれる寝具で、除湿シートは主にマットレスの下に敷いて湿気を吸収してくれる寝具です。

価格も比較的安価に購入できるため、コストパフォーマンスにも優れています。

(5) 布団乾燥機を使用する

通気性良いマットレス_乾燥機を使う

布団乾燥機はマットレスの湿気対策としても有効です。

通常通り、マットレスと掛け布団の間に布団乾燥機を挿入し、電源をつけるだけでマットレス内部の湿気を熱で乾燥させてくれます。
ただし高温になりますので、熱に弱いマットレス素材を使用している場合はくれぐれも注意してください。

 

6. まとめ

通気性良いマットレス_まとめ

マットレスの通気性について、さまざまな角度から解説してきました。マットレスにとって、湿気は大敵です。カビやダニだけでなく、ヘタりの原因にもなりかねません。また、蒸れて寝苦しく感じてしまうことでしょう。

そのため、素材やカバー生地をよく見て、通気性の良いマットレスを選ぶことが大切です。寝心地はもちろん、通気性の高さや耐久性など全体を検討しながら自分に合ったマットレスを探してみてください。

また、通気性の良いマットレスを選ぶことも重要ですが、その後のお手入れも長く快適に使うためには大切です。是非このページで説明した湿気対策を取り入れて、マットレスを長持ちさせましょう。