ベッドと布団どっちがいい?メリット・デメリット解説

『ベッド』と『布団』のどちらがご自身の今後の生活に合っているか、明確に理解できていますか? 

寝具を買い替える機会が多くなければ、寝具の知識を得ることもほとんどありません。そのため、「1人暮らし・2人暮らしを始める」「引っ越しをする」という方がベッドか布団かで迷われることは多いと思います。

単純に好みで選ぼうと考えている方もいるかもしれませんが、メリット・デメリットを把握し、ご自身の環境や今後の生活なども考慮して選ぶのが理想的です。

このページでは、1人暮らしや2人暮らしではベッドと布団のどちらがおすすめか、健康を気にする方にはどちらがいいか、子どもがいる家庭にはどのようなスタイルが向いているかなど、状況に合わせてご説明します。 

【著者紹介】

著者

上級睡眠健康指導士(第733号)。睡眠と寝具の専門家。昔は布団を使用していたが、マットレスを使用した今はもう布団には戻れない。1年で50個以上のマットレスを購入・体験している。快眠ハック

1. ベッドのメリット・デメリット

ベッド布団_メリットデメリット

昔から日本人は布団を使用してきましたが、近年ではベッドで寝る人も増えてきました。現代では半数以上がベッドを使用しているというデータもあるほどです。 

ベッドか布団かは、ライフスタイルや好みに合わせて選ぶのが一般的です。とはいえ、それぞれにメリットとデメリットがあるので、それを押さえたうえでどちらにするかを選ぶのがおすすめです。 

まずは、ベッドのメリットとデメリットを解説していきます。

1-1.メリット

ベッド布団_ベッドメリット

ベッドの主なメリットは、下記の3点です。 

  • ホコリを吸い込みにくい
  • オシャレな部屋に見える
  • 快適な眠りがとれる

ここからは、ベッドを使用するメリットについて解説していきます。

1-1-1.ホコリを吸い込みにくい

ベッドは高さがあるため、布団に比べてホコリを吸い込みにくいというメリットがあります。掛け布団やマットレスなど布製品が多い寝室では、どうしてもホコリが発生しがちです。

寝室のホコリには、寝具で発生したダニやカビ、皮脂やフケが含まれているためアレルギーの要因にもなります。健康被害を及ぼすリスクもあるため、寝室のホコリはできるだけ吸い込みたくないものです。

ホコリが舞い上がる高さは、床から30㎝までと言われています。そのため、床からの距離が遠いベッドであれば、睡眠中にホコリを吸い込むリスクを避けることができます。

1-1-2.オシャレな部屋に見える

ベッド布団_ベッドメリットおしゃれな部屋

ベッドにはさまざまな種類があり、好みや部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。たとえば、ローベッドであれば、天井までの空間が広くなるので部屋を広く見せることが可能。

また、レザータイプのベッドフレームは、高級感を演出できます。ベッドフレームだけでなくベッドに置くクッションやサイドテーブルなどを利用することで、よりオシャレな寝室を作ることが可能。オシャレな寝室を作りたいという方にベッドは非常におすすめです。

1-1-3.快適な眠りがとれる

ベッド布団_ベッドメリット快眠

ベッドに使用するマットレスの多くは、快適な睡眠をサポートできるように設計されています。厚さや硬さにもよりますが、多くのマットレスはキレイな寝姿勢になるように作られていることがほとんどです。

正しい姿勢で寝ることで疲れが取れやすくなり、体の痛みを感じることも少なくなるでしょう。さらに、反発力が高いので、寝返りもしやすく睡眠の質を高めることができます。ラインアップが豊富であることから、体型や好みに合わせて選べるのもベッドのメリットのひとつです。

ちなみに、ベッドに敷布団を使っても問題はありませんが、マットレスの方がメリットは多いです。基本的にマットレスは移動させないのと、通気性が心許ないという特徴があり、ベッドとの相性は非常に良いです。

1-2.デメリット

デメリットとしては、下記の点が挙げられるでしょう。

  • 初期費用がかかる
  • 場所を取る
  • 引っ越しが大変

ベッドのデメリットについても簡単に解説していきます。

1-2-1.初期費用がかかる

ベッド布団_ベッドデメリット初期費用

初期費用がかかることで、ベッドの導入をためらう人も少なくありません。たとえ格安のベッドフレームを選んだとしても、最低でも数万円はかかってしまうのが実情です。

こだわりやデザインによっては、数十万円かかるものもあるでしょう。マットレスを直置きするという方法もありますが、カビやダニの発生原因になってしまうためおすすめはできません。湿気によってヘタりやすくもなるため、マットレス本体の寿命を短くしてしまいます。

1-2-2.場所を取る

ベッド布団_ベッドデメリット場所を取る

ベッドは基本的に収納することができません。使っていない間でも部屋の大部分を占めるため、部屋の大きさによっては狭く感じてしまいます。部屋全体に圧迫感を与えてしまう可能性もあります。

部屋のスペースが限られている場合は、特に注意が必要です。セミシングルやシングルなど、コンパクトなサイズのベッドであれば圧迫感を軽減できます。また、折りたたみベッドや収納付きベッドであれば、スペースを有効に使うことができるでしょう。

1-2-3.引っ越しが大変

ベッド布団_ベッドデメリット引越し大変

ベッドは大きいので、引っ越しの際には荷物になります。分解して運んだとしても、大荷物になるのは間違いありません。引っ越し先に運び入れた後に、再度組み立て直すのも一苦労。引っ越しで部品が一つでもなくなってしまえば、組み立てができなくなるというリスクもあります。 

そのまま搬入できれば組み立ての必要はありませんが、部屋の間取りや搬入口の大きさによってはベッドが入らない可能性があります。壁や床を傷つけてしまうリスクもあるので注意が必要です。

さらに、引っ越しの機会に処分しようと思っても、手間やお金がかかります。購入時に古いマットレスの引き取りを行っているメーカーもあるので、そのようなサービスを利用するのがおすすめです。

2. 布団のメリット・デメリット

次に布団のメリットとデメリットを解説していきます。

ベッド布団_布団メリットデメリット

2-1.メリット

布団のメリットは下記の通りです。

  • 天日干しができる
  • 部屋でダラダラしない
  • どこでも敷ける

それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。

2-1-1.天日干しができる

ベッド布団_布団メリット天日干し

布団は簡単に天日干しできるので、常に清潔に使用することができます。睡眠時にはコップ一杯分の汗をかくと言われていますので、こまめに天日干しすることで湿気を逃がすことが可能です。

湿度の高い日本において、こまめに天日干しできる布団が好まれてきたのも自然なことです。最近では丸洗いできる布団も販売されています。大型洗濯機であれば、丸洗いすることでより清潔に使用できます。

2-1-2.部屋でダラダラしない

ベッド布団_布団メリットダラダラしない

布団を使用している家庭の多くは、朝起きて布団を畳み収納するのが一般的です。ベッドは日中も部屋にあるので、時間があれば日中でもついついゴロゴロしたくなってしまいます。その点、布団は寝る時に敷かなければ使用できません。 

朝は布団を畳んで収納し、夜寝る前に布団を敷くことで生活にメリハリがつきます。日中は部屋を広く使うこともできるでしょう。部屋のスペースが限られている場合や、家族の人数が多い家庭においては大きなメリットとなります。

2-1-3.どこでも敷ける

ベッド布団_布団メリットどこでもかける

布団はどこでも敷けるので、寝る場所を選びません。気分や寝る時間帯によって、布団を持ち運ぶことが可能です。窓際に敷けば朝日が入りすっきり目覚めることができ、休みの日には壁際に置くことで、時間を気にせず眠ることができます。

さらに、来客時に寝室をお客様用に明け渡し、リビングに布団を持って行って寝ることも可能です。特にロフトや2階などを行き来しなければならない場合は、持ち運びしやすい布団が使いやすく感じます。

2-2.デメリット

布団のデメリットとしては、下記が挙げられます。 

  • 冬場は体が冷える
  • カビが生えやすい
  • 起き上がるのが大変 

それぞれのデメリットについて解説していきます。

2-2-1.冬場は体が冷える

ベッド布団_布団デメリット体が冷える

布団は床に直接敷いて使うため、床からの冷気が伝わりやすいのが難点です。夏は涼しくても、冬場は寒くて眠れないという人も少なくありません。特にフローリングの場合は、床が冷えやすくなります。

近年は畳よりもフロ-リングの部屋が増えてきていますが、フローリングと布団は相性があまり良くありません。冬用の敷きパッドや毛布と併用しなければ、快適な睡眠を取ることは難しいです。

2-2-2.カビが生えやすい

ベッド布団_布団デメリットカビ

布団の上げ下げが大変で、ついつい敷きっぱなしにしてしまう人も少なくありません。敷きっぱなしにしていると、布団に吸収された水分からカビが発生しやすくなるので注意が必要です。

乾燥するからといって室内で加湿器を使っている場合はさらにカビが生えやすくなります。カビだけでなく、ダニの発生原因ともなるので布団の湿気管理には十分に注意する必要があります。すのこマットや吸湿シートを敷くことで、湿気を逃がすことができます。 

2-2-3.起き上がるのが大変

ベッド布団_布団デメリット起きにくい

若い頃は問題なくても、加齢とともに布団からの起き上がりが大変に感じるケースは少なくありません。特に膝や腰の痛みを抱えている人にとって、布団からの起き上がりは体に大きな負担です。

その点、ベッドであれば、高さがあるので一度縁に腰かけてから起き上がることが可能。脚交換などで高さ調整できるベッドであれば、腰かけるのに最適な高さに合わせられます。

3. 1人暮らしに向いているのは

ベッド布団_一人暮らし

1人暮らしの場合、部屋のスペースが限られていることが多いと思います。部屋を広く使いたいのであれば、布団がおすすめです。ワンルームの部屋にベッドを置いてしまうと、部屋のほとんどのスペースがベッドで埋まってしまいます。

ただし、布団を収納するスペースがない場合は、ベッドもおすすめです。布団を敷きっぱなしにするとカビ・ダニの原因となるため、部屋の広さや収納スペースによってベッドか布団かを選ぶことがポイントです。

4. 2人暮らしに向いているのは

ベッド布団_二人暮らし

同棲カップルや夫婦など、2人暮らしの場合も部屋の広さや収納スペースに応じて決めるべきです。1人暮らしよりも部屋が広くなることも多いですが、ベッドを置くとどうしても部屋がいっぱいになってしまいます。

来客時に邪魔になることも少なくありません。また、夫婦の場合はこれから子どもが生まれる可能性もあります。引っ越す可能性があるのであれば、とりあえず布団を使用しておくという方法もおすすめです。

ただし、ベッドにすると生活の満足感がグッと上がるため、より充実した睡眠環境を作りたいのであればベッドが向いています。

5. 腰痛・健康が気になる方に良いのは

ベッド布団_腰痛がある人

腰痛など体に痛みのある方やアレルギーなどの健康が気になる方にはベッドがおすすめです。マットレスは正しい寝姿勢を保つことができるので、腰痛や肩こりなどの体の痛みが生じにくいのがメリット。また、反発力で寝返りもラクになります。 

さらに、冷えも体の不調に大きく影響します。体が冷えると血行が悪くなり、肩こりや腰痛が発生しやすくなるのです。また、床のホコリを吸い込んでしまうと、アレルギー性鼻炎などを発症しやすくなります。床からの距離が近い布団よりも、高さのあるベッドの方がホコリを吸い込みにくくなるためおすすめです。 

6. 子育て家庭にいいのは

ベッド布団_子育て家庭ベッド選び

小さな子どもがいる場合は、特に落下の危険性やハウスダストなどのアレルギー物質に注意が必要です。ベッドを選ぶ場合と布団を選ぶ場合それぞれの注意点を紹介していきます。

6-1.ベッドを選ぶ場合

ベッドは高さがあるため、子どもの落下に注意する必要があります。子どもをつぶさないようにと気を使い、親がベッドから落下してしまうケースも少なくありません。

子どもが落下するリスクを減らすために、柵の付いたベビーベッドやローベッドなどの選択肢も視野に入れてみましょう。

また、マットレスのサイズにも注意が必要です。子どもが大きくなった時に独立して使用できるよう、複数のマットレスを組み合わせて使用するのが理想的。子どもが2人の場合は、セミダブル2台やセミダブルとダブルを並べて使うのがおすすめです。

6-2.布団を選ぶ場合

布団は落下の心配がないため、赤ちゃんや幼児期の子どものいる家庭に向いています。ベッドフレームの角にぶつかって怪我をする心配もありません。

ただし、布団の場合はハウスダストやダニ、カビといった衛生面に注意が必要です。定期的に天日干しをするなどのメンテナンスを怠ると、健康被害の原因にもつながりかねません。

7. ベッドと布団それぞれのおすすめの選び方

ここからは、ベッドと布団それぞれの選び方を解説していきます。

7-1.ベッドを選ぶポイント

ベッド布団_ベッド選ぶポイント

ベッドを選ぶ際のポイントとして、下記の2点が挙げられます。

  • フレームは通気性を重視する
  • マットレスは耐久性と体重に合った硬さ

7-1-1.フレームは通気性を重視する

マットレスはこまめに壁に立てかけることで、湿気を逃がすのが一般的なメンテナンス方法です。とはいえ、マットレス本体が重たいので、頻繁に立てかけるのは億劫に感じてしまいます。そのため、通気性の良いフレームを使用して、常に衛生的に保つことが重要です。

特にすのこタイプのフレームであれば、板と板の間に隙間があるためマットレスに溜まった湿気を逃がしてくれます。マットレスを衛生的に保つために、すのこタイプのフレームはおすすめです。

すのこベッドに敷くのは、布団よりもマットレスを推奨します。マットレスは布団と比べて分厚いため通気性が悪くなりがちです。少ないお手入れで通気を手助けしてくれるすのこベッドとの相性は最高なのです。

7-1-2.マットレスは耐久性と体重に合った硬さ

素材や硬さなどさまざまな種類があるマットレスですが、耐久性と体重に合ったマットレスを選びましょう。耐久性の低いマットレスの場合、ヘタりが生じやすくなります。それにより、体の不調が生じやすくなり、睡眠の質も下がってしまいます。買い替えの頻度も増えるため、総合的にみると耐久性の高いマットレスを選ぶ方がコスパは良いです。

硬さについては好みの問題もありますが、体重によって選ぶのがおすすめです。小柄な方は体を包み込むような柔らかめのマットレスがフィットしますが、体格の良い方は体が沈みすぎてしまうため、硬めのマットレスの方が正しい寝姿勢をキープできます。 

自身にぴったりのマットレスを選びたい方は、以下の記事でより詳しく解説しておりますので参考にしてみてください。

7-2.布団を選ぶポイント

ベッド布団_布団を選ぶポイント

布団を選ぶ主なポイントは下記の通りです。 

  • 吸湿性・放湿性の高い素材
  • 運びやすいシングルサイズがおすすめ
  • 衛生面もチェック 

ここからは、布団を選ぶポイントについて具体的に解説していきます。

7-2-1.吸湿性・放湿性の高い素材

就寝中にかいた汗はすべて布団に吸収されるので、吸湿性・放湿性に優れた布団を選ぶことがポイントです。吸湿性が低いと、布団に吸収されなかった汗が掛け布団と敷布団の間の空気中に残ることになります。

そうなると、湿度が高い状態になるので適切に体温が下がらず、睡眠の質が悪くなってしまいます。それだけでなく、カビやダニが繁殖しやすくなるというリスクもあります。綿や羊毛など、吸湿性・放湿性に優れた布団を選ぶようにしましょう。

7-2-2.運びやすいシングルサイズがおすすめ

布団の場合は、こまめに天日干しするなど定期的なメンテナンスが欠かせません。重たい布団だと、どうしても持ち運びが億劫になってしまいます。ベランダまで運びやすいように、コンパクトなシングルサイズがおすすめです。 

快適な睡眠のために大きいサイズが良いと思いがちですが、布団ははみ出しても落下の心配がないためシングルサイズでも十分に快適な睡眠が可能です。収納スペースも取らないので、限られたスペースを有効に使うことができるでしょう。

7-2-3.衛生面もチェック

衛生的に使えない布団を購入してしまうと、健康被害にもつながりかねません。衛生的に使用するために、防菌や防ダニ加工の施された綿や生地を使用した布団を選ぶのがおすすめです。

また、最近では丸洗いできる布団も増えてきています。自宅の洗濯機が小さくても、コインランドリーを活用して洗うこともできるので洗えるタイプも検討してみるのが良いです。

8. まとめ

ベッド布団_まとめ

ベッドと布団のメリット・デメリットについて解説してきました。ベッドは正しい寝姿勢をキープできるよう設計されているものが多く、快適な睡眠をサポートしてくれます。その反面、部屋を占領してしまうため、狭い部屋では圧迫感を生みやすくなってしまうでしょう。

一方、布団は収納することで、日中は部屋を広く使うことができます。しかし、カビが発生しやすいため、こまめに天日干しするなどのメンテナンスが必要です。どちらにもメリット・デメリットがありますので、家族構成やライフスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。

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