マットレスの厚さはさまざまであり、予算との兼ね合いもあるため選ぶのが難しいです。
ですが、「自分に合った厚さがわからない…。」「いろんな厚さのマットレスがあって困る。」と考えている方に朗報です。本ページでは、目的や環境、体重などに合わせた厚さの選び方をわかりやすく説明するため、ご自身に最適なマットレスの厚さを見つけることができるようになります。
マットレスの厚さを決める際の注意点についても後半で記載しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【著者紹介】
マットレスの厚さはさまざまであり、予算との兼ね合いもあるため選ぶのが難しいです。
ですが、「自分に合った厚さがわからない…。」「いろんな厚さのマットレスがあって困る。」と考えている方に朗報です。本ページでは、目的や環境、体重などに合わせた厚さの選び方をわかりやすく説明するため、ご自身に最適なマットレスの厚さを見つけることができるようになります。
マットレスの厚さを決める際の注意点についても後半で記載しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【著者紹介】
上級睡眠健康指導士(第733号)。睡眠と寝具の専門家。1年で50個以上のマットレスを購入・体験していて、環境や体形に合わせたマットレス選びを得意としている。→快眠ハック
マットレスの厚さは薄いものから厚いものまであり、マットレスの種類によってさまざまです。薄いものは2~5cm程度の厚さしかありませんが、分厚いものでは30cm以上あるものまであります。
マットレスの厚さによって寝心地が変わってくるのはもちろん、目的や用途によってマットレスの厚さを使い分けるのが一般的です。
例えば、5cm以下の薄手のマットレスは、厚みのあるマットレスと併用して使われます。マットレスの上に敷くことで寝心地を良くすることを目的としており、一般的には「マットレストッパー」と呼ばれます。
マットレスが硬すぎる場合やヘタってしまった場合にマットレストッパーを敷くことで自分好みの硬さに調整できる可能性があります。リーズナブルな価格で購入できるので、マットレスを買い直すよりも手軽に寝心地を改善できるのが特徴です。
中程度の厚さのマットレスは一枚でも使えるうえに、コンパクトで軽量なのでお手入れしやすいというメリットがあります。引っ越しや持ち運びが多い方でも手軽に使用できます。中程度の厚さのマットレスには折り畳めるタイプもあり、使わない時は収納しておくことも可能です。
分厚いマットレスは寝心地の良さが最大のメリットです。耐久性も高くなるので、高品質なマットレスを長く使いたいという方におすすめです。ただし、厚ければ厚いほど値段は高くなるので、予算と相談する必要があるでしょう。また、分厚くなる分、マットレスの重量も大きくなります。日常的なメンテナンスはしづらくなるので、カビやダニの発生に注意しなければなりません。
ここからは、マットレスの各厚さの特徴や主な用途、メリット・デメリットをそれぞれ解説していきます。どんな人におすすめなのかも解説しますので、自分に合ったマットレスを探すための参考にしてください。
厚さ3~5cmのマットレスはかなり薄いので、一枚で使うマットレスとしては不向きです。底つき感が出てしまうだけでなく、肩や腰の痛みの原因にもなってしまいます。
そのため、マットレスの上に敷く「マットレストッパー」としての使用がおすすめです。少しヘタったマットレスに重ねたり、硬すぎるマットレスに柔らかめのマットレストッパーを重ねることで寝心地を改善することができます。ただし、柔らかすぎるマットレスに硬めのマットレストッパーを重ねても不自然な沈み込みになり、寝心地が良くなることはあまり期待できませんので注意してください。
ちなみに、マットレストッパーはマットレスの上に敷き、さらにその上からボックスシーツをかけて使用します。マットレス自体の耐久性が高くなるというメリットもあります。
既にマットレスを持っており、そのマットレスの寝心地を向上させたいという方におすすめです。マットレスの寝心地が体に合わない場合でも、マットレストッパーを一枚敷くことで寝心地を向上させることができます。
ただし、既にマットレスが大きくヘタっている場合は、マットレストッパーだけでは限界があるため、マットレス本体を買い替えるのがおすすめです。
7cmの厚さのマットレスは、普通体型の方であれば敷布団のように一枚敷きとしても使用できる厚さです。子どもが使うマットレスとしても使用されます。軽量でコンパクトなので、頻繁に立てかけて陰干しするなどメンテナンスもしやすいのが特徴です。
ただし、体重の重い方や大柄な方にとっては、底つき感が気になる可能性もあります。また、マットレスの素材が柔らかい場合も底つき感が出やすくなります。そのため、厚さだけでなく使用者の体重や、マットレスの素材も比較して選ぶ必要があります。
厚さ7cmのマットレスは軽量なので、引っ越しなど持ち運びが多い方におすすめです。折りたたみができるタイプであれば使わない時に収納しておけるため、部屋を広く使うこともできます。
また、ロフトベッドや二段ベッドに使うマットレスとしてもおすすめです。ロフトベッドや二段ベッドの柵は30cmとなっているため、7cm前後のマットレスであれば寝返りした時に落下する心配もありません。
ウレタンフォームのマットレスとしては標準的な厚さのマットレスです。一枚敷きのマットレスとしても、底つき感が少なく快適に眠ることができる厚さです。また、厚さ10cmくらいからは自立しやすくなるので、壁に立てかけて干すのにも最適です。
ただし、10cm以上になると5~12㎏程度の重さが出てくるため、日常的な収納は難しくなります。収納したいのであれば、折りたたみができるタイプのマットレスを選ぶようにしましょう。
ウレタンマットレスを一枚敷きで使いたいという方におすすめです。また、畳の上に直に敷いて使いたいという方にも最適な厚さのマットレスといえます。すのこベッドフレームなどに敷いて使うマットレスとしても、ちょうどいい厚さです。
ウレタンマットレスとしては十分な厚さのマットレスですが、コイルマットレスの場合はやや薄い厚さです。詰め物が少なすぎてコイルの硬さを直に感じてしまう可能性が高いので、避けた方が無難です。
また、ウレタンマットレスとしては十分な厚みがありますが、安すぎるものは質が悪い可能性もあります。ただ分厚いだけで、硬すぎたりヘタりやすい場合があり、腰痛や肩こりに繋がりますので、厚みだけで選ばないように注意しましょう。
寝心地の良いウレタンマットレスを検討している方におすすめです。直置きで使うマットレスとしても、十分な厚みがあるので底つき感が出にくくなっています。もちろん、ベッドフレームに置いて使うことも可能です。
ポケットコイルやボンネルコイルのマットレスの中でも、比較的リーズナブルに購入できるマットレスに多い厚さです。ウレタンマットレスに比べて耐久性が高いので長く使用することができます。
また、ウレタンマットレスであれば、寝心地や寝姿勢などあらゆる観点から考えられた高品質なマットレスが多い傾向にあります。
ただし、厚みがある分、こまめに立てかけるなどのメンテナンスがしにくいのがデメリットです。風通しが悪くならないよう、直置きではなくベッドフレームに置いての使用をおすすめします。
ポケットコイルやボンネルコイルのマットレスを安価に購入したい方におすすめです。ウレタンマットレスであれば高品質な製品が多いですが、コイルマットレスと比べると通気性が良くないため入念に湿気対策をする必要があります。
また、ベッドフレームの上に敷いて使用するマットレスをお探しの方に適しています。ただし、高級感を演出するのには少し物足りない厚みでしょう。
厚さ25cm前後のマットレスは、10万円前後のポケットコイル・ボンネルコイルマットレスに多い厚さです。高級マットレスメーカーでこの厚さであれば、10万円を超えるものも販売されています。耐久性も上がっていき、8年以上使用できるものが多いです。
厚さ20cm前後のマットレスと同様、ベッドフレームの上での使用が一般的ですが、重量や厚みを考慮してもロフトや二段ベッドでの使用は不向きです。また、ヘッドボードが低いベッドフレームの場合、マットレスの厚さでヘッドボードが隠れてしまう可能性があります。
厚さ25cm前後のマットレスは、高品質なマットレスを使用したい方におすすめです。最上級まではいかなくても、ある程度の寝心地の良さや耐久性を求める方に向いている厚さといえます。
また、厚さ25cm前後となると見た目も立派になってくるため、寝室・ベッドに高級感を出したい方にもおすすめできます。
高級マットレスに多い厚さのマットレスです。有名マットレスメーカーの商品も多く、予算は10万円~20万円以上と考えておいた方がいいでしょう。スプリングの素材が良く、詰め物もしっかり詰められていることが多いので最上級の寝心地を実現できます。
ホテルなどにも使用されることの多い厚さのマットレスですが、重いので定期的なメンテナンスがしにくいのがデメリットです。また、詰め物が厚すぎると、コイルスプリングのメリットを実感しにくいので注意しましょう。
10万円以上の予算があり、最上級の寝心地を実感したい人におすすめのマットレスです。厚みがあり豪華に見えるので、寝室の高級感を演出するのにもぴったりだといえます。
また、10年以上の耐久性があるマットレスも多いので、良いマットレスを長く愛用したい人にもおすすめです。
ここからは、床置きマットレス・ノンコイルマットレス・コイルマットレスそれぞれでおすすめの厚さを解説していきます。
床置きマットレスの厚さとしては、体重が60kg未満の方で7cm程度、60kg以上の方は10cm程度がおすすめです。
あまり薄すぎるものを選ぶと、底つき感が出やすくなります。床の硬さや冷たさが直に伝わってしまうため、眠りが浅くなりがちです。
とはいえ、15cm以上の厚すぎるマットレスもおすすめできません。厚すぎるとマットレスの底面に湿気が溜まってしまいます。床に直置きすると湿気を逃すことができず、カビやダニの発生原因となるため厚すぎるマットレスは避けるようにしましょう。
収納しやすいものや持ち運びできるものを探している場合は、厚さだけでなく重量もチェックするようにしてください。
ノンコイルマットレスの厚さは15~20cm程度が一般的です。15cm程度あれば寝心地に問題はありませんが、ベッドフレームの上に置いて使うと見栄えが物足りなく感じる場合があります。ローベッドやすのこベッドの上に敷いて使うのがおすすめです。
20cm程度の厚みがあれば、見栄えが良くなるためベッドフレームの上に敷いて使うマットレスとしてもちょうどいい厚さといえます。
中には25cm以上のノンコイルマットレスもあり、見た目は豪華に演出できますが、その分値段が高くなります。また、湿気対策が大変になるというデメリットもあるため、厚みがあるマットレスを使いたいのであれば、ポケットコイルやボンネルコイルを選ぶのがおすすめです。
コイルマットレスにおすすめの厚さは20~30cm程度です。厚さ20cm以下の薄いコイルマットレスだと中の詰め物が薄い可能性があり、腰や肩の痛みの原因になりやすいでしょう。
そのため、コイルマットレスの場合は全体の厚さだけでなく詰め物の厚みにも注目すべきです。詰め物の厚さは4cm以上のものを選ぶのがおすすめです。
30cm以上のマットレスは高級感を演出するのには良いですが、湿気がこもりやすくなるうえに重すぎてメンテナンスがしにくくなります。「当分引っ越すつもりはない」「とにかく最高級のマットレスを買いたい」といった考えではない限り、家庭で使用するマットレスとしては不向きな厚さです。
ここからは、マットレスの厚さに関する注意点として、下記の3点を解説していきます。
まずは、使用者の体重に合わせて最低限必要な厚さが変わるという点を覚えておきましょう。マットレスの厚さが十分かどうかは、使用者の体重によっても変わってきます。
体重 | 最低限の厚さ(目安) |
40kg |
5cm |
60kg |
7cm |
80kg |
10cm |
100kg |
15cm |
例えば、体重60㎏未満の方は厚さ7cmのマットレスでも底つき感なく使用することができますが、同じ厚さのマットレスでも、体重80㎏の方が使用すると底つき感が出やすくなってしまうので注意が必要です。
特に横向き寝の際に、肩や腰の部分が沈み込み、床に付いているような感覚になってしまいます。体重100㎏の方が使用するマットレスは、最低でも15cm程度の厚さが必要です。このように、使用者の体重によって最低限必要な厚さが変わってくるというという点を覚えておきましょう。
とはいえ、日本人の多くが体重80㎏以下なので、10cm程度の厚さがあれば大抵の方が快適に使用できるはずです。
マットレスの厚さによって、ベッドの高さとの相性が変わってきます。そのため、既にベッドフレームを持っている場合は、その高さと合うマットレスを選ぶ必要があるのです。
例えば、『ロフトベッド』や『二段ベッド』など高さのあるベッドの場合は、7~15cm程度の中程度の厚さのマットレスが最適。ロフトベッドや二段ベッドは柵の高さが30cmのものが一般的で、これはマットレスの厚さが10cm前後であることを想定されて作られているためです。
あまり分厚いマットレスを使用すると、寝返りを打った時に転落する恐れがあります。また、厚くなると重量も増すため、耐荷重の面でも不向きです。かといって、薄すぎるマットレスだと寝心地が悪くなるため、7~15cm程度の厚さのマットレスを選ぶようにしましょう。
『2段引出し付きベッド』など床からある程度の高さがあるベッドフレームに向いているのは、厚さ15〜20cmのマットレスです。30cm以上の分厚いマットレスだと床からの高さがかなり高くなり、ベッドに入りにくくなってしまいます。
『ローベッド』など床からの高さが低いベッドには、厚さ20~30cmの分厚いマットレスがおすすめです。分厚いマットレスを置いても、部屋全体に圧迫感を与えずに済みます。脚付きベッドにも使用できますが、脚が高すぎると使いにくいので注意が必要です。
厚いマットレスは高級感があり寝心地が良い反面、「とりあえず分厚いのを…」と選んでしまうとデメリットも三点ほどあります。
一つ目は「重量」です。分厚ければ分厚いほど、重たくなるので移動が困難になります。引っ越しや模様替えの頻度が高い方にとっては、移動させづらく邪魔になってしまうでしょう。また、マットレスを通気させるために壁に立てかけたり、ヘタるのを防ぐためにマットレスの上下をローテーションさせる行為も大変になります。厚すぎることで、搬入できない可能性もあるため注意しましょう。
二つ目は「通気性が悪くなる」ということです。睡眠時の体温や寝汗によってマットレス内部には湿気がこもります。分厚ければ分厚いほど、その熱や湿気は外へ逃げづらくなるのです。そのため、分厚いマットレスを購入したい場合は、すのこベッドや除湿シートなどの対策を最大限行う必要があります。
三つ目は、「詰め物が分厚すぎる」可能性があることです。分厚いコイルマットレスは、コイル層が分厚い場合もありますが、その上の層にある詰め物の量も多くなります。詰め物が多ければ必ずしも良いというわけではなく、コイルの弾力を感じることができず寝返りが打ちにくくなるケースもあります。
以上の理由から、むやみに分厚いマットレスを選ぶと後悔しますので注意しましょう。
マットレスの厚さについて詳しく解説しました。マットレスの厚さにはさまざまな種類があり、寝心地が変わるだけでなく部屋の雰囲気にも影響してきます。ただし、分厚ければ良いというわけでもなく、分厚いがゆえにデメリットも存在しますので注意が必要です。
それぞれの環境や体型などに合わせて最適なマットレスの厚みを選び、満足度の高い寝室空間をつくりましょう。